T 消費者教育−悪徳商法の手口

1 キャッチセールス

 

場面 1
登場人物
  被害者(女子高校生)
  しつこい勧誘者(ハンサムな青年)
  事務所で待っていた偉い人(優しそうなおじさん−怒ると怖い)
  ナレーター
 場面
  1、駅前または竹下通り(選択)
  2、事務所
 備品
  場面1−アンケートらしき道具一式
  場面2−事務机(にみたてて下さい。)椅子
      契約書(白紙の紙で結構です)
      朱肉、ペン
 場面1
  ナレーター  状況の説明(適当に)
  昼下がりの街。
  被害者(高校生位、私服)がブラブラ歩いている。
  そこに、親しみをこめて勧誘者が近づいて行き、優しく声を声をかける。
勧誘者 「すみません、アンケートに協力して頂けませんか?」
被害者 「私?ですか?」
勧誘者 「そうそう、君、かわいいから。」
被害者 (少し嬉しそうにはにかんで)そうですか?じゃ少しなら
勧誘者 「どうも有難う。今、若者の意識調査をしているんです。みんな、声を掛けると、逃げちゃって。困っていたんだ。じゃ、質問するから答えてね。」(と言って、アンケートをとるように質問をする。)
「職業は?。年齢は?。住所は?住所は市町村までで結構ですよ。将来何になりたいですか。」        
被害者 「看護婦(適当に)」
勧誘者 「旅行は好きですか。」
被害者 「大スキです。」
勧誘者 「何処に行きたいですか。」
被害者 「スイス、ハワイ、温泉・・・・・。」
勧誘者 「ファッションに興味はありますか。」
被害者 「少し。」
勧誘者 「洋服は、どのブランドが好きですか」
被害者 「イブサンローランかな。」
勧誘者 「映画は好きですか。良く見ますか。」
被害者 「はい、良く見ます。」
勧誘者 「洋画と日本映画とどちらが好きですか。」
被害者 「洋画です。」
勧誘者 「好きは俳優は。」
被害者 「クラーク・ゲーブル。」
勧誘者 「月に何回くらい映画を見ますか。」
被害者 「2〜3ヶ月に1回位かな。」
勧誘者 「映画の入場料は高いと思いますか。」
被害者 「高い高い、半分くらいならもっとたくさん見れるのに。」
勧誘者 「テーマパークは好きですか。。」
被害者 「あまり好きじゃありません。」
勧誘者 「行って見たいテーマパークはありますか。」
被害者 「ハウステンボスかな。日光江戸村も行きたいな。」
勧誘者 「スポーツは好きですか。」
被害者 「私、運痴なんだ。」
勧誘者 「どんなスポーツが好きですか。」
被害者 「サッカー。」
勧誘者 「お小遣いは幾らですか。。」
被害者 「月3万円。」
勧誘者 「今、幾らくらい持っていますか。」
被害者 「お財布の中を見ながら)1万円位かな。」
(*話しながら、被害者は段々と勧誘者に親しみを覚え、積極的に答えるようになる。)
勧誘者 「どうも有難う。」
被害者 「これで言いんですか。」
勧誘者 「うん。有難う。ここにサインして下さい。
(被害者は、勧誘者から示されたアンケート用紙と思われる紙の下段に署名をする。)
ところで、映画が好きなんだね。「スピード」は見た。?すごかったよね。」
被害者 「見たみた。すごかった。でもお父さんに話したら、『新幹線爆破』っていう昔の日本映画のストーリーと同じだっていうの。千葉真一とか高倉健が出ていたって。おじさん知ってる?」
勧誘者 「おじさんはひどいな。僕も知らないよ。
そうだ、映画が特別割引で見れる会員権があるんだ。他にも、いろいろ特典がついてとても便利なんだけど。」
被害者 「いいですね。」
勧誘者 いいだろう。僕は持っているんだけど(独り言のように、少し渋って)、特別だからな。どうしようかな。いいや、折角だから君も会員になるといいよ。一緒に行こう。
(といって、腕を握って、ひっぱって行く)
被害者 「何処へ行くんですか」
勧誘者 「そこの事務所だよ。」
(被害者は、ひっぱられて事務所へ行く。)
場面 2
ナレーター  状況の説明(適当に)
   事務所、午後2時頃
   被害者は、ソファーに座っている。隣に勧誘者。向いに事務所の偉い人。
    偉い人が、勧誘者に説明をしている。
偉い人 (紳士的な物腰で話をする。)
「この会員権は、映画なら一部の映画を除いて半額で見れますよ。全国のホテル、旅館、スキー施設等割引で利用できます。
それに、(先ほどのアンケートらしきものを見ながら)スポーツ観戦の切符も特別枠で利用できますから。本当に便利なんですよ。
彼なんて(と、被害者の横に座っている勧誘者を指差しながら)、使い過ぎるくらい使っていて、もうすっかり元をとっちゃってますよ。
特別な会員権だから、やたらに紹介するなと言ってあるのに……。まぁ、もう紹介しちゃったんだからしかたないな。
お嬢さん、特別にこの会員権をお譲りしましょう。入会金30万円なんですけど、お嬢さん、かわいいから特別25万円でいいですよ。
それじゃ、ここにサインして下さい。」
(と、契約書とペンを差出す。)
被害者 ちょ、ちょと待って下さい。私、会員権を買うなんて……。それに25万円なんてお金持っていませんし……。
勧誘者 なにを言うんだ、会員権が欲しいって言ったじゃないか。
被害者 私、欲しいなんて・・・・・(言ってません、と言おうとするが声にならない)
偉い人 (勧誘者に対して)なんだ、おまえ、いったいどんな説明をして連れて来たんだ。(と、怒鳴る)
勧誘者 (偉い人に頭を下げながら)済みません。
横に座っている被害者の方を向いて、少し、怒った様子で)何をいまさら。折角紹介してあげているんだよ。特別な会員権だよ。僕だって、この人に叱れるのを覚悟でこうして君を紹介してあげたんだ。僕の顔に泥を塗るのか。(段々と興奮してくる。)
被害者 (次第に下を向いてしまう。)
勧誘者 こんなに便利でお得な会員権なんて他にはないよ。それを、こうしてわざわざ連れきてあげたのに。
被害者 私、連れてきてくれなんて頼んでない(段々と声が小さくなる。)
勧誘者 いいかい、僕がこの会員権を持っていると言ったら君が「いいな」って言うから、そうでしょ。だから、アンケートをとっている最中にこうして抜け出して、特別に会員にしてあげようって言っているんだ。
ナレーター (この後も、同じような話が、繰り返され、ソファーに座った被害者は、なかなか立ち上がれない。時計の針は午後6時を指している。)
偉い人 (勧誘者に)あまり怒鳴ったらかわいそうだよ。ま、こいつにも早とちりがあったようだから、どうだろう、こうしよう。この入会金を本当に特別に23万円にしてあげる。だけど、このことは、他の誰にも話してはいけないよ。ちゃんと払った人から文句が出るからね。それでいいね。ここまできて、「いや」はないよね。(と、最後は凄味を利かせる。)
被害者 (長時間の勧誘に疲労困憊して)うなずく。
偉い人 (優しく)そう、良かったね。代金は、一括じゃ無理だよね。分割でいいからね。それでは、この書類にサインしてくれるかな。月々1万円でいいからね。今日は、内金で5000円だけでいいから置いてって下さいね。(と、契約書を差出し、サインする場所を指示し、ペンを渡す。被害者が書き終えるのを見て、)あと、名前の後にハンコが欲しいんだけど、ハンコなけば、拇印でいいから。
 ハイ、じゃ5000円(と、5000円を受取、領収書を渡す)  ハーイ、有難う。それではこれ、領収証。無くさないでね。ご苦労様。後で、会員証を送るからね。上手に使ってね。それと、本当に、23万円だったなんて言わないでね。あなただけなんだから。誰かが知ったら大変なことになるからね。良かったね。もう帰っていいよ。
ナレーター その後、被害者のところに、会員証とカード、請求書が送られてきました。請求書の金額は、総額で28万円になっていました。
 送られてきた会員証では、ロードショウ等は特別に安くはなく、前売りと同じでした。ホテルなども使える数が少なく、あまり価値がありません。スポーツのチケットもほとんど手に入りません。


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2 マルチ・マルチまがい商法


          登場人物
  後輩(社会に出たばかりの男性−被害者)
  先輩(被害者の先輩−勧誘者。マルチまがい商法に加わっている。)
  会長−マルチまがい商法を主催している人
  成功者−マルチまがい商法の上位に位置する人で儲けた人
  会場の人(被害者以外の被害者と既に会員となっている人達)
  ナレーター
 *時間の都合上、ナレーターが会長と成功者の話をナレーションで補ってしまって下さい。会場の雰囲気も、同様。  
場面
  1、喫茶店
  2、説明会場
 備品
  場面1−テーブル、椅子
  場面2−演題、椅子、バックの看板(黒板を利用する。)
場面1
ナレーター 状況説明
被害者が喫茶店で待っていると、颯爽とした身なりの先輩が、ベンツ(但し、 中古)でやって来る。
後輩 (立って、先輩を迎える。)先輩。久しぶり。お元気そうですね。颯爽としてますね。今乗ってきたあれ、ベンツでしょ?先輩のですか。
先輩 すごいだろう。ところで、おまえ、今の会社、給料幾らだ。
後輩 一応、勤めたばかりですからね、額面で19万円です。手取りで15万円位かな。学生のときの方が、親からの仕送りもあったし、アルバイトできたし、優雅な生活だったんですけど、だめですね。遊ぶ金なんて、ほとんどありません。先輩、すごいじゃないですか。何してるんですか。
先輩 聞きたいだろう。いま、会社を辞めて、「子供たちに美しい地球を遺す会」というところで、地球環境に優しいいろいろな商品を売っているんだ。風呂用循環器や浄水機を販売しているんだ。
 おまえも、一緒にやらないかと思って声をかけたんだ。
後輩 有難うございます。でも、就職したばかりですから、まだ会社は辞めれません。
先輩 な−に、会社を辞める必要ないよ。サイドビジネスでもいいんだ。それで、もし、上手く行きそうだったら、会社を辞めればいいじゃないか。サイドビジネスといっても、今の給料より稼げるぜ。そうしたら、何時でも、海外旅行に行けるようになるさ。
後輩 そんなに儲かるのですか。
先輩 儲かるさ。僕は上手く説明できないけど、今度その会で、成功者の集いがあるから、話を聞いて見るといいよ。それにその時に会の会長が話をするんだけど、すごくいいぞ。感動するよ。損はないから、一緒に行こう。
後輩 分かりました。ぜひ、連れていって下さい。
場面2
ナレーター (状況説明−適当に)
 会場では、会長が地球環境の危機を訴え、今こそ、我々が、身近なできることから行動を始めなければ手遅れとなり、子孫は滅亡するしかないこと、そのために、自分達が率先して環境に優しい行動をとるとともに、他人にも無理をさせずしかも環境に優しい行動をとるべきことを勧めること、また、自分たちの商品販売は、流通経路を省略し、広告もしないからその分安くて良い商品を販売できる新流通システムであり、世間で言われているマルチ商法とは全く違うものであること、等々熱っぽく演説した。
 その後、成功者の体験談が次々と語られ、月収70万円は簡単であること、専念すれば月収150万円は稼げ、200万円も夢ではないこと。別荘を買ったとか、マンションを買ったとか、毎年数回も海外旅行に行っていること等、人が羨むようなことを話している。
 会場は、熱気で溢れていた。
先輩 な、すごいだろう。おまえもこの会に入らないか。
後輩 (すっかり、洗脳されている)すごいですねぇ。でも、良く分からないのですが、どうしたら、あんなに儲かるのですか。
先輩 会長が話しただろう。良い品を安く仕入れて売るからだよ。それに、地球環境を考える人が増えれば増えるほど、子孫に美しい地球を残せるからという理由で、会員を増やせば増やすほど、その分も収入につながるのさ。分かるか。
後輩 それって、マルチ、じゃないんですか。?
先輩 何言ってんだよ。おまえは。俺を信用できないのか。会長だって、これはマルチじゃない、新流通システムだって話していたじゃないか。それに、おまえ今のままの給料でいいのか。良く考えて見ろよ。
後輩 (少し考えて)そうですよね。
先輩 じゃ、善は急げだ。おまえも入会しろ。いいな。
後輩 入会するにはどうしたらいいんですか。
先輩 風呂用循環器2台と浄水機2台を買って、登録すればいい。おまえが買えば、俺にも少し歩合が入るから、おまえに分けてやるよ。
後輩 有難うございます。やっぱり先輩って、優しいですよね。でも、そんなお金持ち合わせがないんですけど。やっぱり、親に相談してみるかな。
先輩 何言ってんだよ。おまえもう立派な社会人だろう。自分のことくらい自分で決めれなくてどうするんだよ。自覚を持つことが大切だって、今、会長の話を聞いたばかりだろう。
 それに、お金がなくてもクレジットを組めばいい。月々1万9000円位で済むはずだよ。クレジットもすぐ払うわけじゃないし、支払いが始まるころには儲かっているよ。何、すぐ元がとれるさ。一緒に頑張ろう。
後輩 そうですよね。分かりました。頑張りましょう。 よぉし、頑張るぞ!
ナレーター 後輩は、その場でクレジットを組んで商品を購入しました。
購入した商品は、なかなか売れず、新たな会員を増やすこともできず、クレジット会社からの請求だけがきます。



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3  マルチ・マルチまがい商法(その2)

登場人物
  後輩(社会に出たばかりの男性−赤羽)
  先輩(被害者の先輩−勧誘者。マルチまがい商法に加わっている。)
  先輩の同行者(王子・蓮根)2名−マルチまがい商法の上位に位置する人
ウェイトレス
  ナレーター
場面
   喫茶店
備品
   テーブル、椅子 、コーヒーカップ等
ナレーター 状況説明
後輩が先輩から良い話があるからと、電話で呼び出され、興味を持って約束の時間に約束の喫茶店で待っている。
後輩が喫茶店でコーヒーを飲みながら窓の外を見ていると、ベンツが駐車場に入ってきて、その中から先輩が見知らぬ二人と一緒に降りて来て、喫茶店に入ってくる。
後輩 (立って、先輩を迎える。)
先輩 久しぶり。
後輩 お元気そうですね。颯爽としてますね。今乗ってきたあれ、ベンツでしょ?先輩のですか。
先輩 すごいだろう。
紹介するよ。この人は、僕と一緒に仕事をしている王子さんと蓮根さんだ。
後輩 始めまして、僕、赤羽といいます。よろしく
(一同、座る。ウエイトレスが来て注文を取る。)
後輩 ところで、先輩、良い話って何ですか。
先輩 赤羽、おまえ、今の会社、給料幾らもらってる?
後輩 一応、勤めたばかりですからね、額面で19万円です。手取りで16万円位かな。学生のときの方が、親からの仕送りもあったし、アルバイトできたし、優雅な生活だったんですけど、だめですね。遊ぶ金なんて、ほとんどありません。先輩、すごいじゃないですか。何してるんですか。
先輩 聞きたいだろう。会社を辞めて、「子孫に美しい地球をのこす会」というところで、この人たちと一緒に地球環境に優しいいろいろな商品を売っているんだ。今は、風呂用循環器や浄水機を販売しているんだ。
おまえも、一緒にやらないかと思って声をかけたんだ。
後輩 有難うございます。でも、就職したばかりですから、まだ会社は辞めれません。
先輩 なーに、会社を辞める必要ないよ。サイドビジネスでもいいんだ。それで、もし、上手くいきそうだったら、会社を辞めればいいじゃないか。サイドビジネスといっても、今の給料より稼げるぜ。そうしたら、何時でも、海外旅行に行けるようになるさ。
後輩 そんなに儲かるのですか?。
先輩 儲かるさ。僕は上手く説明できないんで、王子さんや蓮根さんに一緒に来てもらったんだ。
王子 赤羽君。一緒にやろうよ、月収50万円は稼げるよ。がんばれは150万円だって夢じゃない。
蓮根 そうだよ、赤羽君。僕も、この地球をも守りたいと思っていたところに王子さんから誘われて一緒に始めたんだけどね。それまで、僕の給料は手取りでも35万円はあったんだけどね、今は、会社も辞めて、これに専念しているんだよ。今は、少なくても月に60万円は稼げるようになった。
後輩 でも、どうしたら、そんなに儲かるようになるんですか。
王子 そんなに、儲かる儲かるなんていわないで欲しいな。
僕たちは、金儲けのためにやっているんじゃなくて、あくまでも地球環境のことを考えているんだ。このままでは、地球はだめになってしまう。人類が住めなくなってしまう。君だってそう思うだろう。子供や孫のために、このかけがえのない地球をのこすことこそ、僕たちが今最もやらなければならないことじゃないのかな。
結果的に、金儲けになるとしても、そんなことは二の次だよ。金儲けしか興味が無いのだったら、これ以上、話をするのは辞めよう。
蓮根 王子さん、そんなに言ったら可哀相だよ。金儲けは二の次かもしれないけれど、収入が無かったら食べていけないじゃないか。それに、良いことをして、お金が儲かるならそれでいいじゃないか。
王子 そうだな。わかった。
赤羽君。君は、人類のために一生懸命努力する気持ちはありますか。
後輩 もちろんです。
王子 わかった。じゃ、教えよう。
いいかい、地球環境は、今瀕死の状態にあるんだ。だから、今、すぐにでも出来ることから行動を始めなければ手遅れとなってしまうんだよ。分かるよね。では、どうしたらいいのか。
一つは、資源を無駄使いしないこと。毎日お風呂に入れば、それだけ水道が使われる。汚れた水は、結局海へ流れていき、命の源の海を汚染してしまう。どうしたら良いか。出来るだけ、水道をつかわないこと。使わなければ、汚い水が少なくてすむ。分かるだろう。そのために、各家庭に、このことを理解してもらって、風呂用循環器をかってもらうんだよ。分かるよね。
それに、今の世界は汚れている。この汚れが、母から子、子から孫へとどんどん引き継がれていったら、体に悪いものがどんどんたまってしまう。訳のわからない病気に罹るかもしれない。今の水道水は、安全基準を守っているといっても、マンションの様なところは、一端タンクに溜めるから、かなり汚いことは、知っているよね。そうしたら、自分たちできれいな水にして使わなければ、どんどん毒が溜まっていって、これが自分にも影響してくるし、子孫に引き継がれていったらたいへんなことになるじゃないか。それで、浄水機を使ってもらうのさ。
後輩 それは分かりますが、先輩、どうしてそれが金儲けにつながるんですか。
先輩 それは、売れば、やはり利益が出るからだろう。
蓮根 赤羽君。仕組みはこうだよ。
地球環境を守るためには、一人にでも多くの人にこれらのものを使って欲しいだろう。
後輩 はい。
蓮根 そのためには、これを普及させなければならない。わかるね。
自分達が率先して環境に優しい行動をとるとともに、他人にも無理をさせずに、しかも環境に優しい行動をとるべきことを勧めるんだ。一生懸命売ってくれる人には、それだけのお礼をしなければ失礼になるだろう。それで、一つ売れば、代金の何パーセントという率でお金がもらえることになっているんだ。また、自分一人では売れる数に限りがあるから、自分の仲間を作って売ってもらうようにすれば、そういう仲間が売ったことで、やはり決まった率でお金がもらえることになっているんだよ。こうすれば、自分が売ることのほかに仲間を増やせば余計売れるから、余計儲けることができるのさ。
こうやって、売ったことで何パーセントかのお金がもらえるのは、商品の流通経路を省略し、広告もしないからその分安くて良い商品を販売できるシステムになっているからだよ。
赤羽君なら分かるよね。
後輩 はい(と、なんとなく肯く)
先輩 な、すごいだろう。おまえも一緒にやろうよ。
後輩 でも、それって、高校の時に教わったマルチとかいうものじゃないんですか。
王子 失礼じゃないか。僕たちは、純粋に地球や人類の事を考えているんだ。(と、怒る)
先輩 何言ってんだよ。おまえは。俺たちのやっていることを信用できないのか。今、蓮根さんが説明したじゃないか。これは、新しい流通システムだよ。
おまえ今のままの給料でいいのか。良く考えてみろよ
蓮根 信じるか信じないかは、赤羽君の判断だよ。でも、信じる者と書いて「儲ける」というじゃないか。人を信じることは大切なことだよ。
後輩 (少し考えて)そうですよね。
先輩 じゃ、善は急げだ。おまえも入会しろ。いいな。
後輩 入会するにはどうしたらいいんですか。
先輩 まず、自分で商品のよさを知らなければ人に勧められないから、とりあえず一台づつ。それに、実際に人に見せる必要があるからそのためにもう一台づつ合計2台づつ買って、登録すればいい。おまえが買えば、俺にも少し歩合が入るから、おまえに分けてやるよ。
後輩 有難うございます。やっぱり先輩って、優しいですよね。でも、そんなお金、今持ち合わせがないんですけど。やっぱり、親に相談してみるかな。
先輩 何言ってんだよ。おまえもう立派な社会人だろう。自分のことくらい自分で決めれなくてどうするんだよ。それに、お金がなくてもクレジットを組めばいい。月々1万9000円位で済むはずだよ。クレジットもすぐ払うわけじゃないし、支払いが始まるころには儲かっているよ。何、すぐ元がとれるさ。一緒に頑張ろう。
後輩 後輩− そうですよね。分かりました。頑張りましょう。
よぉし、頑張るぞ!
ナレーター 後輩は、その場でクレジットを組んで商品を購入しました。
購入した商品は、なかなか売れず、新たな会員を増やすこともできず、クレジット会社からの請求だけがきます。


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